忍者ブログ
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
(10/15)
(10/12)
(10/02)
(08/30)
(08/28)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(08/28)
(08/30)
(10/02)
(10/12)
(10/15)
カウンター
忍者ブログ
[PR]
http://manmare.blog.shinobi.jp/
パラレル月花・大人向け
ADMIN | ENTRY
 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

石でできた大きな箱の蓋はこの墳墓の入り口と同じく僅かにずれていた。
一郎は僅かな隙間から中に手をつっこむ。
何かを探しているようだ。
瞬間的にはそれが何だか分からなかった加山もそれが石棺であるとすぐに気付く。
「一郎!墓荒らしなんかしちゃだめだ!」
祟られてしまう。
必死にそう訴えても一郎は聞く耳を持たない。
「あった!」
嬉しそうな声とともに一郎が取り出したのは錆びた剣だった。
「これやる」
差し出された剣を受け取ると、ずしりと重かった。
細かいところまでは見えないが、墳墓に納められるような剣だ。
良い品に違いなかった。
「加山、嬉しくないのか?」
伺うように一郎が聞いてくる。
一郎は俺が当然喜ぶと思っていたようだ。
がっかりとした表情をしているのが分かる。
「嬉しくないわけじゃなくてな…」
どう伝えていいのか困る。
「これは人の物だろう。それを取るのは良くないことだ」
一郎にとっては盗品を贈ることも悪いとは思っていないのだろう。
できるだけ平易な言葉で告げる。
しかし、返ってきた言葉は意外なものだった。
「ここはじいちゃんの家。だから、大丈夫」
「え」
「だから、やる」
意味が分からず、ただただ困惑する。
「ここは空気薄い。早く出よう」
一郎が手を引く。
たしかにここは息苦しい。
剣は一郎をゆっくり説得してから返しにくればいいと思った。
ふと、気になって石棺の中を覗く。
見てしまったものにぎょっとなって、もう一度覗き込んだ。
何度見ても変わらなかった。
石棺の中に横たわっていたのは白骨化した獣だった。
PR

COMMENT FORM
NAME
URL
MAIL
PASS
TITLE
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TRACKBACK
TRACKBACK URL : 
2024-051 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 prev 04 next 06
"No Name Ninja" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.