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秋のよく晴れた日。
「ついて来い」
一郎はそう言った。
山道を手慣れた様子で歩く一郎。
俺は遅れないようについていくのがやっとだった。
「おい。どこ行くんだ?」
そう聞いても一郎は振り返り、微笑むだけ。
俺は狐に包まれたような気分になりながらも、上機嫌な一郎の背を追った。
一郎は朱塗りの鳥居をどんどん抜けていき、頂上に近い辺りで参道から逸れる。
それでも一郎の歩みは変わらず、一心にどこかを目指しているようだった。
「ついた」
そう言われて辺りを見回しても、何も見えない。
こんもりとした丘が目の前にあるだけだった。
「何があるんだ?」
一郎はまた歩き出す。
胸の辺りまで草が生い茂っていて、かなり歩きにくい。
丘陵の端まで歩いていくと、いきなり大きな岩が見えた。
「これ何だ?」
「家の扉」
岩の傍には子どもなら通れそうな隙間があり、
奥に何かがあるとこが分かった。

一郎は身体を横にして隙間をすり抜ける。
俺も慌てて岩に身体をぶつけながらなんとか通り抜けた。
良くは見えないが、細い道が続いているのが雰囲気で分かる。
「おい!」
真っ暗な洞窟をすたすたと歩く一郎に呼びかける。
「戻ろう!!」
ここには入ったことはないが、これと似たような場所は何箇所も知ってる。
これは墓だ。
しかも、大昔の。
俺達が入っていいような場所ではない。
ほとんど周囲が見えないながらも、必死に走って一郎に追いつき、肩を掴んだ。
「一郎…ここは駄目だ。祟られる。帰ろう」
死に人の安らかな眠りを妨げていいはずがない。
なのに、一郎は首を横に振る。
表情は良く見えなかった。
「加山。大丈夫。行こう」
一郎が俺の手を取る。
しっかりと握ってまた歩き出した。
一郎の足取りには迷いがない。
よほど何度も来ているのだろう。

ほどなくして視界が拓けた。
暗い中でも小さな部屋があることが分かる。
壁一面に赤色で様々な模様が書いてあり、
部屋の中央には大きな箱のようなものがあった。
その他にも部屋のあちこちに壷や杯が並んでいることが分かる。
異様でおどろおどろしい光景だった。
「部屋ついた」
一郎は言った。

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